2012年10月26日金曜日

睡眠語学学習講座

俺が、フランスに来たのは、1983年。二十九年前だ。
その時知っていたフランス語は、トレビィアン(素晴らしい)。以上なのだ。
確か、当時、岸恵子さんがテレビのコマーシャルに出て居られた。その中に、この単語が出てくるので、覚えていたのだ。そういえば、同時期に、アラン ドロンのダーバンのコマーシャルもあった。このモノマネは、当時の俺の十八番だった。アラン ドロンの動作を真似て、「セレラゴン スダラマダヤン」と言うのだ。そのように聞こえた、当時は。今では、正確な台詞が何だったのか分からなくなってしまったが、たぶん、「セ エレガン(エレガントだ)」云々と言っていたはずだから、俺の聴音力も、まあまあ。注 四半世紀前、俺は、アラン ドロンの仕事のアシスタントをしたことがある。テレビで見る通り。イケメンなんていうレベルではない。超ハンサムだった。そして、なんとなく、美形の中にチンピラの臭いが垣間見れて、粋な俳優さん。

で、フランスに「来てから」、コンビィアン(いくら)を覚えた。トレビィアンに似ていたので。それから、当然、メルシー(ありがとう)。

この三つの単語で、生活しようというのだから、この無謀振りも気合が入っていた。

「タバコ屋」
すてゅいべサンと(タバコの名前)。おばさん、しかめっ面(この表情は、フランス全国民、即刻、止めて頂きたい。わたくしは、かように申し上げたい。傷付くのだ)。クワァー(なんだって)?指差し。あー、ステュイべサントね。こんびぃあん(いくら)?UMMMSKKJSMJYATRUフラン。分からない。お金を出す。お釣りが来る。
「別嬪の姉ちゃん」
こんびぃあん(いくら)?引っ叩かれた。トレビィアンと間違えたのだ。
「友達の家」
うい、うい。笑顔。トレビィアン、うい、うい。笑顔。メルシー、笑顔。
寝る前には、顔が引き攣っていた。そのまま、笑いながら寝たよ、仕方ないから。

ところで、俺は、その前にロンドンに二年間いた。
だから、フランスに来た時は、そこそこ、流暢な英語になっていた。で、やはり、日本人のせいなのか、俺がアホなのか、どうやっても、三つの言語は頭に入らない。二つが限界。フランス語を習得したら、トコロテン。英語は、どっかに行ってしまった。とはいえ、ニューヨークのベーシストのとこに遊びに行ったら、何日かしたら出てきた。とはいえ、ジャズメン英語ね。

「いゃぇぇぇぇぇー、めぇーーーん」
「おぉぉぉぉぉぉー、いえぇぇぇぇぇ」
拳を上げて、二人でボクシングみたいな動作。
「ぁつ、ごーいんいんぐ、おん、めぇぇぇぇぇぇぇぇん」(はい、この出だしがシンコペです)
「いぇーーーーーー」
で、また、拳合わせ。

ジャズメン。これだけで、すべての会話が成り立つ、超エスペラントエリートだ。

んで、じゃ、英語は、どうやって覚えたの?となる前に、ちみは、なぜに、英語をお話し致したいのだね。という、最初の疑問。はい、お姉ちゃんを口説くためです。以上。

ここで、モチベーション、および、目的とのジャズ的逆転が起こる。

お姉ちゃんを口説くためには、一年ぐらい、図書館に篭って、基礎から始める。まず、文法をマスターする。ジェイムズ ジョイスのユリシーズを読破する。TH エリオットの詩を諳んじる。で、シェークスピアの会話をマスターしてから、巷に出る。このやり方は、クラッシックピアニストのやり方だ。注 日本人は、通常、このやり方であるが、弊害は、読み書きばっかり達者。および、博識。ここで止まりがち。目的達成ができないのだよ。

俺の場合は、まず、姉ちゃんを引っ掛ける。で、口移し(ちょっと、Hだな)で、教えて頂く。
これが、フリージャズ屋のやり方。最初に、まず、目的を始めてしまうのだ。で、三つの単語では足りなくなる。政治、経済、文学、諸々の社会の位相を、「いくら」「すばらしい」「ありがとさん」。これでは、辛い。で、覚えるわけね。

こちとら、ミュージッシャン、プラス、モノマネ狂だ。一年で、政治経済哲学を論じてしまうから、こうなると、最初の姉ちゃんは、ポイ。で、次へ。串刺し。

こういう脳構造で、フランスに来たから、同じだ。先に目的、後から、肉付け。

考えたら、俺のピアノの習得と、まったく同じだ。なんのジャズ理論も知らないのに、もう、最初からステージに上がってしまうのだ。とにかく、まず、弾き捲くる。受ける。調子に乗る。なんなんだろうね、こういうメカニズム。で、自分がしんどくなってくる。たんたんたぬきのたまきん、この一曲のレパートリーで、お客様方を納得させ魅了する。同じようなことをやっていたのだ。ただ、息切れも酷い。なにはともあれ、本人が一番辛いから、二曲目を覚える。

意外と、この裕先生流って、なにか、根源的なやり方のような気もしている。
(この方式は、初期の立ち位置のレベルは、まったく違うのだが、山下洋輔大先輩のエッセイから、学んだ)。
要は、クロマニオン学習だ。

腹減ったぁーーー。石持って走っていく。
石、重てぇーーー。やりを作る。
別嬪の姉ちゃん、飛び付く.....、お話をする。

注 良い子の皆さんは、真似をしないよう、お願い申し上げる次第である。


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