2012年10月3日水曜日

マイ フーリッシュ ハート

とうとうブログも、この動画まで辿り着いた。
動画の延長コメント、その間に、なんだか訳の分からない小話、エッセイ。
このスタイルで書いて来た。

この曲。動画の冒頭に、トークの映像を入れた。その中のコメントと重複してしまうが、もう一度、文章化してみる。

俺は坊主刈りの学生服を着た中学二年生だった。野球部でキャッチャーをしていた。
吉田拓郎とかかぐや姫、井上揚水なんかを聴いていた。
どうして、突然、ジャズのレコードを買ったのか、思い出せない。
先輩かなんかに薦められたのだろう。

街中に結構大きなレコード店があった。
ジャズのセクションがかなりの面積を占めていた。
で、どうして、その一枚を選んだのかも記憶がない。

「ワルツ フォー デビー」ビル エバンス
たぶん、ジャズピアノの最高峰の一枚であろうアルバム。このアルバムの一曲目だ。
ニューヨークのビレッジバンガードのライブレコーディング。人々のざわめきと、たぶん、ワイングラスと思われるグラスの触れ合う音。ステージの上には、ビル エバンス(ピアノ)。ポール モチアン(ドラムス)と、もうひとり伝説のベーシスト、スコット ラファロ。たぶん、このピアノトリオはジャズ史の中の、最強トリオのひとつだろう。若くして世を去ったスコット ラファロが、後年のベース奏者に残した影響は多大なものがある。エレクトリックベースのジャコ パストリアス、ウッドベースとエレクトリック両刀使いスタンリー クラーク。そして、直接の後継者は、たぶん、ゲイリー ピーコック。ベースをソロ楽器、メロディー楽器へと変貌させた。

ビルが相当酷いジャンキーであったこと。マイルスのバンドで黒人から逆差別、いじめに合っていたこと。そして、スコットの交通事故死。すれすれのところにいたことを、最近、知った。スコットの事故は、このレコーディングから間もない。アル中、ニコチン中毒、なおん(女)、で、薬。楽器。これがジャズ屋の五大要素だ。三つはクリアー(と言うのかなぁー)しないと「いい音が出ない」ということになっとる。一応、俺は、アル、ニコ、なおん、楽器と四つを制覇している。努力しているのだ。スリクまで行ってしまうと、禁治産者だから、五番目はパス。体が、もたんだろう。

そして、この三人の演奏。色っぽいの一言だ。俺には、分かんないのだが、スリクの影響もあるのだろう。俺には、こんな色っぽい演奏はできない。いや、スリクのせいではなく、元々が体育会系というやつなんで、やっぱ、でけん。田村隆一と吉岡実。田村さん、全然、色っぽくない。吉岡さん、色っぽい。田村さん、アル中。吉岡さん、酒飲まない。あれっ、だったら、アルコールもスリクも関係ないのだね、これに関しては。そうかぁー、最初から、色っぽくないんだね。ほっといてくれっ。

でも、坊主刈りの十四歳の中二の俺の中に、はっきり、なにかが、刺さった。この時、ジャズのピアノ弾きになろうと思った。こういうことは、だれしも、ある。

プロ登録したのがシジューの時だから、その時から二十六年経っている。屈折何年じゃなくて、中断していたのだ。でも、中断から再起して這い上がり、坊主刈りにして学生服着て、俺は、ピアノを再開した。時間が、どきどきと逆流して、初心に帰った。人生の初期化だ。

で、おっさんは、普通は、こういうことはしない。いや、してはいかんのだ。年輪、下腹、顔の弛み。温厚とか、おっさんらしい風態にならんといかんのだよ。でも、でけんかった。やはり、元々の美貌がブロックした。日本のデビッド ボウイ。えっ、ひとみ婆さん?

で、この超へたくそスタンダード。絶対に、非難轟々は覚悟していたら、なんだか「今週のお薦め動画」というチャンネルに、ばっちり、載っていた。

すいません、全然、俺の思惑とは関係なく、動画がひとり歩きを始めた。

この曲は、中二の俺だったらしいガキとの決別のために、あえて、ド下手を承知で弾いて、動画化して、公開したのですよ。決着、付けんとね。一応は、人生に。次に行くためにね。おっさんだって、進歩すんだよ、高齢化社会だよ、若僧どもめっ。

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