10月25日2012年。13h00。
今日も、自宅の展望台のようなサロンの窓から、晴れ渡った秋空が見える。
快晴。飛行機雲もない。上の方が水色で、段々、地上に向かって白くなっていく。
光のグラデーション。綺麗だ。
「位相-大地」
関根伸夫の作品名。制作されたのは1968年。2008年に再制作されている。
大地に、ぽっかり、円筒形の穴が開いている。
直径2.2m。深さ、2.7m。
そのぽっかり開いた穴と、まったく同じ形、同じ大きさの円筒形の土が、穴の脇にどんと置いてある。日本現代美術史上の代表作のひとつである。
「金子光春」
金子さんの、晩年の自伝三部作のひとつ、「ねむれ巴里」(中公文庫1976年)より、抜粋。
リオンの宿
あとにも先にも、自殺を考えたのは、生まれてからそのときがはじめてであった。
中略
そのときも僕は、僕のねているベッドの下で地球がうごいているのを感じた。
胸がいっぱいになったが、のどまでつまっているその感情は、悲苦ではなくて羽目を外して、世界中びっくりするような大笑いの発作の前のような気持ちであった。
関根さんの作品は、「地球の表面」という、普段あまり考えないことを、嫌でも、喚起させた。
金子さんの行は、金子光春という詩人にしか感受できないなにかだった。
突然、どうして四季があるのか、思い出せなくなった。
太陽と地球と月の位置関係が、分からなくなった。
太陽系の外になにがあるのか、分からなくなった。
自分が途方もない、時間軸と空間にいることを思い出した。
その感覚は、たぶん、悟りに似ていて、とても、気持ちがいい。
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