2013年11月16日土曜日

ピアノと車

似ているところも多々ある。けれど、ピアノは、あんまり体感はできない。音感。
軽自動車とリッターカー、ファミリカー、高級車、スポーツカー、スーパーカー。
もちろん、スペックが全然違う。で、ピアノも現在は工業製品、一部、手作り。ここは車と似ている。

車は体感できるから、それぞれの車が面白い。ちょっと、人間に似ている。
小さな車は、それなりに面白いし、高級車は、確かに快適。
じゃ、ピアノは?

それぞれのメーカーに特色がある。独断で書いてみよう。
でも、問答無用で、メーカーごとに高級になるほどベター。ちょっと、車の楽しさとは違う。
廉価版系は、プロには、ちとキツイ。音がちんけ過ぎて、脳が破壊されてしまう。
一度、コンサート会場で、ちんけなキーボードが出てきて仰け反ったことがある。
一万円ぐらいのおもちゃみたいなやつ。俺は怒ったわけではなく、持っていたトランペットを演奏したのである。フリージャズだから、なんとでもなるのじゃよ。

「ヤマハ」世界シェアー一位。トヨタに良く似ている。そういう意味では。俺は、ずっと、ヤマハのピアノで音感教育を受けたから、音のルーツ。当然にして、一番、脳と耳が馴染む。アップライトのU1が一番好きである。実家にある半世紀前のアップライトと音が似ているからである。ヤマハの音は、明るい音。金属的という方もいるけれど、そうではないと思う。明るい音。因みに、私のホームであるジャズクラブ、バビロはヤマハU1。郷里のジャズクラブ、クイーンさんは、ヤマハのグランドG5。これは、素晴らしい音が出る。今まで、俺が弾いた中のベストのひとつである。

「カワイ」ヤマハの分家だけれど、音が少しジャジー。ちょっとだけ、暗い。ジャズ屋向きかも知れない。タッチとか機能の差はあまり感じないけど、音が、少しだけ、暗いかも。確か、パリ音大の練習用のピアノは、カワイだったな。弾かれ過ぎて、フェルトがよれよれのものばかりだった。

「プレイヤル」フランスの名門。現在は製造されていないはず。昔の赤茶色のグランドピアノが比較的、手に入る。ピアノ工房で弾かしてもらったことが何度かある。柔らかいけれど張りのある音。音自体が、とても綺麗である。クラッシックの方々には、うるうるものだろうねぇー。俺みたいな野蛮ピアニストには、ちと、もったいないかも? お上品なのだ、すべてが。

「ガボー」「ボード」この二つのメーカーもプレイヤルと同系列。「ボード」はスタンウェイが買収しているはず。ガボーのアップライト、概観が物凄く綺麗。調度品、工芸品という感じで素敵だ。

「スタンウェイ」もう、これはご存知の通りで、世界最高峰のピアノということになっている。意外と、鍵盤のタッチが軽くて弾き易い。音は、明るく張りのある音。音自体のバランスがとても良い。俺の動画のエリコーナさんでのライブは、このスタンウェイです。キース ジェレットは、これしか弾かない。素晴らしいのだけれど、お値段も素晴らし過ぎ。一千万円前後だよぉーーー!
まあ、一生、買えません。

「ベーゼンドルファー」これは、ピアノのF1マシーン。鍵盤が重い。音は重厚そのもの。確かフランツリストが使っていたはず。日本から駐在でいらした方のサロンに、黒いグランドピアノ。「裕さん、うち、男の子が三人いるでしょ、このピアノっていくらぐらいするものなの?」「なんて書いてあります?」「ベェーなんとかかんとか」「りゃりゃりゃ、俺、見に行くから触らないで」と。で、行った。ベーゼンドルファーだった。うん、現在の中古価格で八百万円ぐらいですねぇーって返事をしたら奥さん仰け反り、引っ越してしまった。はははははぁ。

「ベヒィシュタイン」これも、ピアノの横綱。ロンドンの小さな教会の端に、ぽっとグランドピアノが置いてあって、そっと蓋を開けたら、これだった。泣きそうになった。とんとんと軽く叩いてお辞儀をして蓋を閉めた。 

うわぁー、まだまだ一杯あるなぁー。
家の近所に、バァーンシュタイン専門の修復工房があって、ヤマハの中古あると訪ねていったら、職人さん、「あんなものはピアノじゃない」ときっぱり言われた。俺は同意はしないけど、このきっぱり感は見事。友達の家に新型のペトロフがあって、弾かせてもらった。昔は音量が小さかったけれど新型は改善。音は、とても綺麗。ジャズ向きではないけど。あと、韓国のピアノメーカーが複数ある。基本的にはヤマハに似ているけれど、もう少し金属的な音がする。

あっ、車と似ている部分だと、製品としての完成度、強度は、日本製、韓国製が優秀だろう。

あれれ、なんか珍しくブログっぽいし、ピアニストっぽい記事だよなぁー。たまにはいいよね?
で、俺が仮に十分なお金があったらなにを買うか? ずはり、ヤマハのGFXです。これは、もう、マシーン、精巧な機械という感じで、見ているだけで涎が出てくる。音も、すんばらしい。でも、絶対に買えないから、やはり、アップライトのU1かな。今、俺んちにあるのは、イギリス製のヤマハのアップライト、中級グレードのサイレントピアノとローランドのプロ用のステージピアノRD700GXというやつ。でも、クラッシックなさる方には、やっぱ、三大横綱および、プレイヤル、ガボー、ボード、ペトロフなんかの方が、音色がしっくりすると思う。

ジャズ屋は、味わいを出すテクニックが身に染みているから、むしろ、ピアノは無機的な方が、弾き易いのです。ちょっと、パラドックスだけど、本当にそうなのですね。スタンウェイはニュートラルだから、これも素晴らしい。



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