「おぉーーー、マミ、見て見てっ! これいいじゃん。ねぇ、透明度を調節できるブラインド。まあ、正確には巻き上げ式の雨戸ってな感じだね。これさぁー、タイマーでさ、たとえば、午後六時から徐々に人工太陽の光を遮断して行くと、たとえば、八時ぐらいに真っ暗にもできるってなわけだ。ねっ、これさ、窓に付けようぜって。考えたらよぉー、最近さぁー、当たり前だけどさ、真南のサロン側にあるのが本物で、真北の台所の方にあるやつが人工太陽だよな。最近の子供たちよぉー、太陽は東から昇って西から昇るって教わってんだってさ。真北だから台所にしてるのによ。まあ、立地の悪い家にはベターチェンジだわな。トマトは生り過ぎだし、若い娘は皆サーファーみたいになっちまったし、いいんだか悪いんだか、俺にも分からんけど、でもよぉー、ピアノ弾く気になり難いぜって。体の感じが朝九時だもんなぁー」
明日の天気をお伝え致します。
午前中の最低気温は、十七度。日中の最高気温は、二十七度。
午前中、やや曇り。午後は晴れ間が広がる模様です。
「だぁーらよぉー、夜も同じ天気なんだよな、ほとんどよ。今一、乗らないよなぁー。月見酒とか月見草、どうすればいいのかしらねぇー。ありゃ、そういやぁー、お月様、どっか行っちゃったよ。三年ぐらい見てないよな。夜祭もなくなっちゃったし。おぉーーー、人工太陽遮断衛星とか打ち上げちゃう? 拙いよな、俺の一存でよ。あれ、電球みたいに消せねぇーのかな? 世論調査して、夜を返してぇーーーって声が多けりゃ、消せば。あっ、駄目なの、あっそ。おぉーーー、夜付きの人工都市とか作っちゃうかねぇー、おぉーーー、ボンイデェーじゃん。住みたい奴だけ住めばいいからねぇー。三兆円ぐれぇーででけんだろって。安いもんだべ。おっ、住人全員、ジャズメン? そんなこたぁーねぇーだろって、なあ、マミ?」
なぜか、マミは答えない。
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