流しの撤去の目途が付いた2日後、近所の大工道具店から、ご注文のキッチンユニット到着との電話。
フランスの巨大大工道具店の代表は、「ルロワメルラン」と「カストラマ」。
日本にあったかなぁー、こういう大型店? 大工道具店というより、ほとんど、家を自分で建てる人のためのお店という感じ。すべての工具、材料が手に入る。実際、私のニース在住の知人は、自分でプール作ってしまったし(南仏は日差しが強いため芝は枯れてしまうので、庭にプールを設置する人が多いのである)、最近知り合った三十代の夫婦は、あまりの不動産の高騰に、これではマイホームは無理、よぉーーーし、自分で建ててしまえと、現在進行中。
早速、取りに行く。
翌日、キッチンユニットの組み立てに着手。私はセミプロなので、お茶の子サイサイ(これ意味分かんないんだけど、書いてるくせに)。キッチンユニットの上に、ステンレスの流しを設置。問題は、排水システムの構築。まず、洗濯機と食洗機の排水口がいる。新しい流しは、水槽が二つおよび、水槽上部に水切り口。家本体の排水パイプに接続、および、沈殿物を除去する円筒球形のプラスティックを付けねばならん。もろもろの難題を抱えつつも、アクセスが楽なので、大したことはない。快晴の日、サロンのど真ん中でこの作業をやった。丸1日。夕方には、後は設置、扉の取り付けを待つばかりの、キッチンユニットが完成。排水システムがポンピィドーセンターみたいで美しい。ビールを飲みながら、しばし、見惚れた。大理石の暖炉、金箔のアンティックの半円形の鏡。赤と黒のソファー。茶色い中国風の家具。黒いピアノに囲まれたど真ん中のキッチンユニット。痺れた。この場違い感が素晴らしいし、等々、近代的生活が始まるっ!といった打ち震え感。今度は、赤ワインを飲みながら見惚れた。とりわけ排水システムの美しいことっ!
ところで、「どうして裕イサオは十日間、ブログを書きたくなかったのか?」という、読者様には、まったくもってもってのほかでどうでもいい問い。おもむろに裕先生、舞台に登場。マイクの位置を決める。ちょっと、ごほんごほん。
「えーーー、本日ご愛読の皆々様へ。えーーー、わたくし、幼少期より、詩だピアノだ小説だと諸々に手を染めて参りました。器用貧乏、多芸は無芸の極北を極めて参りました。すべて、三流、贔屓目で見ても2.7流止まり。最近、ピアノの進歩目覚しく、三流の上から二流の下へ昇格致しました。えーーー、ついでに三ヶ月前よりブログに手を染め、このように皆々様とネット海海上にてお目に掛かる機会を持てましたこと、誠に持って、嬉しく思う次第でございます。手漕ぎ船でひいこらひいこらお買い物。ひいこらひいこらキッチンユニットの運搬中に、こうして擦れ違う。あっ、ど、どうもと会釈をし、皆、住み家へ。なかなか粋でございますな。で、先のご質問でございますが、わたくしめ、元を正せば現代美術家なのでございます。しかも、一流の。現代のクラフトマンなのでございます。この手仕事。物体。こちらへ世界観を圧縮するプロなのでございます。最後の展覧会から、早や十五年。このキッチンユニットの新旧交代劇は、わたくしの中の、現代美術家、伝説の巨人を揺り起こす超絶的作用を脳内にもたらし.....。という次第でございます」
どうでもいい? あっそ。
しつこく、つづく。
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