寝たきりから座りきりにステップアップした。サロンのテーブルの前に一人掛けのソファーを置き、ソファーの中に更にクッションを敷き詰め、腰を固定する。俺の家は、パリの郊外というより、ほとんど隣町にある。イル ド フランスの境界線のぎりぎり内側。東京でいうとどの辺りなのか?
都心まで三十分という感じです。東京都何とか市となるのだろう。言い換えるとパリ都何とか市。パリはパリ市のことなので、それ以外はパリとは言わないけれど、一般的にイル ド フランス地方が日本で言う東京都に当たります。地方の人は、パリ地方とか呼んでいます。普通、あまりいい意味ではなく。運転が荒っぽい。車間距離を置かない。後ろからあおる。都会から来てんだぞっという態度。ストレスの塊でイライラしている。そっけない、いじわる等々、評判がよろしくない。今はどうかしらんが、俺の郷里の海岸辺りの品川ナンバーのソアラに乗ってる若僧どもも、そんな感じだったなぁー。でも、大体、本来の東京の人ではなかったのだと思う。逆コンプレックスだ。まあ、以前に書いた三文ミュージッシャンが大物ぶるのと同じ原理。
急に思い付いたが、「パリ症候群」のお姉さんたち。説明します。一番多いケース。二十代、日本でOL。貯金。三十歳ぐらいの時にあこがれのパリへ。滞在許可証の取得のため語学学校に登録。アパート難のパリ。エレベーターなしの最上階(たとえば、七階とか)の屋根裏部屋。友達がまったくできない。少しずつ貯金が底をついてくる。想像していたおしゃれなパリと現実があまりに違う。で、たまに日本に帰国すると、パリに住んでいるのぉーーー、おしゃれぇーーー、すてきぃーーーなんて皆に言われるので、実は暗ぁーーーい生活をしているなんて言えないし、やはり、ちやほやされるから内心得意でもある。で、また、パリへ。このギャプの狭間でノイローゼ。この症状です。お姉さんに限定されている訳ではないですが、男の子たちは簡単に脱サラしてパリなんていう訳にもいかんから、ほとんどこのケースはない。パリにいるお姉さんが皆そうだという意味ではないので、誤解のないように。そういう精神病があるということです。やばいよなぁー、俺のコンサートのお客さんの中にいたら、ひっぱたかれる。ばらすんじゃねぇーって。あんただってっ!
どきっ、これを俺に当てはめると、裕イサオ先生、「パリで大活躍している今をときめくジャズピアニスト」。おしゃれなパリを満喫。ファンのパリジェンヌたちに囲まれてご満悦の裕先生。なんていうイメージで日本へパリ帰りの外タレとして凱旋帰国。皆さん、昔からこの類に騙されてきたのです。大体、俺はパリ市に住んでいない。家賃だ不動産だと高過ぎて住めないの。ブログの紹介に「在パリ」なんて入れてる。嘘つきだ。すいませぇーーーん。読者獲得のために。もじもじ。パリの隣町ではちょっとぉーーー、すいません。お気を付けください。昔のパリ帰りの絵描きさんなんて全員とは言わないけれど、大半がこのパターン。裕先生の現実。パリのインサイダーで多少知られている。スポーツピアニストとか暴力的な演奏をするとか、パリのヨースケヤマシタとか(光栄です、比較されて。全然、山下さんのレベルではないのに)。高々、この程度。CDだって自家版みたいのしか出ていない。オフィシャルなのは、唯一、沖至師匠のCDに、ちこっと入っているだけ。で、パリの隣町の古い家に住んで、中華食材店で練り物を買ってきて、おでんもどきを作って食べている。趣味は草むしり。大活躍もなければ、どこもときめいていないし、おしゃれなんていう要素もまるでない。この程度の奴。それでも、たまに日本に行く(になってしまった)と、「先生」なんて呼ばれるから困ります。もう、おっさんだから化けの皮は剥がれているし、内心得意なんて感じもまるでなく。あるがままの俺しかいない。でも外タレを装わないと、商売にならん側面も大いにあるから、あんまりばらすとやはりまずいなぁー、自分で営業妨害している。でも、正直な方が、好感度は高い。好感度一位の外タレピアニストで売り込むからいいや。
で、俺の家だけど、あんまり詳しく書くと、ファンのお姉さんが大型バスで乗り付けに来たりするから書かないけど、こういうのを杞憂というのだ。サングラス掛けて歩いている売れない芸能人と一緒だっ。だれも、気にしていない。ずっと前に、ドゥゴール空港で、おばさんがスーツケースを重そうに運んでいるので、マダァームって言ってカウンターまで運んでやった。振り返ってメルシーって言われて、うぁちゃー、物凄い美女。カトリーヌ ドゥヌーブだった。周りのフランス人も別にじろじろ見たりとかなぁーんもなくて、へぇー、フランスって芸能人も普通なんだぁーと思いました。だから、俺も普通に。無名の奴は、普通でいいんだっ、馬鹿っ!
で、話が進まない。俺の家だ。ド田舎まではいかないけれどパリの喧騒とは裏腹に、小鳥の声しか聞こえないし、丘の上に建っているので、見晴らしは素晴らしい。なんかぎっくり腰の治療に保養地に来ている感じで、こういう時は、郊外暮らしの方が、なんとなく似つかわしい。また、ぎっくり腰の話だ。
あれっ、俺の好きなピアニストっていうのを書こうとしてたんだよな。まあ、トーク、おしゃべりの文字化だから、あっちこっち思い付いた方へでまったくかめぇへんかめぇへん。大体、本もそうだけど、ブログも含めて、読まなければいいので(読まれなければいいので)、気が楽です。次回にしましょう。「ぎっくり腰と私」「ぎっくり君の人生相談」「ぎっくり腰になって世界観が変わった私」「ぎっくり腰の哲学的分析」「童話ギックリとコッシー」いい加減にしろっ?
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