四日前の日曜日。パリのスターリングラッド駅の近くの公園に、舞踏と即興音楽のフェスティバルを見に行った。私がファンであるアズサが出演する案内をもらったからだ。
午後四時十五分に到着。快晴。気温二十五度。暑い。
公園内は家族連れ、若者、カップルで一杯だ。酔っ払いの親父がメガホンでなにかを叫んでいる。子供たちが、あちらこちらでサッカーをしている。北駅へ向かう地下鉄の音が聞こえて来る。町の喧騒そのものである。フェスティバルの会場が、その公園であることは分かっているが、公園のどこなのか分からない。なんとなく、コンサートのセッティングをしている感じの一群に聞いてみる。「あー、あそこに受付があるから、あっちで聞いてみて」と言われる。受付へ向かう。「四時半からのアズサの舞踏を見に来たんだけど、場所はどこですか?」「はい、ここです」「あっ、この受付の前ですか?」「この公園です」「はい、それは分かりましたが、公園内のどこですか?」「ダンサーが決めるから、真ん中か、あちらの壁の方か、通りの方か、どこかでしょう」「はぁー、メルシー」。結局、分からないから、公園全体をじーーーと見詰める。コントラバスをソフトケースから出すミュージッシャンの姿が遠くに見える。「あっ、あれだな」と、そちらに向かったら、アズサがブルーのビロード地の衣装を着て、踊りだすのが見えた。
暑いので、木陰に陣取り、彼女の踊りを見た。左側のベース奏者。
私も含めた何人かの観客が半円形の輪になって見た。彼女の周りでサッカーをする子供たち。
まったく、興味がない人々が通り過ぎる。酔っ払いの親父の叫び声。少し離れた場所でコンサート。別のダンサーたち。
彼女の踊りを見ながら、公園全体を同時に見回していた。
一体、アーティストとはなんなのだろうと考えていた。
彼女とベース奏者。ふたりは、公園全体の喧騒と人々の活力に対峙していたのだろうか?
これは、私には分からない。
でも、確実にひとつだけ確かなことは、子供たちが、サッカーをしながらも、なにかを感じ取っている感触があった。なにか日常とは違う異質なものがあることを。
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